原発稼働率低迷、再処理難航/「原子力、期待に応えず」  PDF

原発稼働率低迷、再処理難航/「原子力、期待に応えず」

 原子力委員会は3月24日、原発の設備利用率(稼働率)が低迷し、核燃料サイクルの中核となる使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の試運転が難航するなど「原子力が社会の期待に十分に応えていない」とする2008年版原子力白書を閣議に報告した。

 白書は、08年は国際会議などを通じ、原発は地球温暖化防止に有効という認識が広まった年と位置付けた。だが07年の新潟県中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原発が長期停止し、利用率は60.7%(07年度)にとどまると指摘。耐震安全性を確認し、効率的な運転をすべきだと強調した。

 再処理工場は、高レベル放射性廃棄物のガラス固化体製造がうまくいかず、試運転がたびたび中断しているが「今後もさまざまな故障、トラブルが予測される」として克服するよう求めた。

 候補地が決まらない高レベル廃棄物最終処分場の立地可能性調査に自治体が応募を検討できる環境づくりや、高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県)の運転再開のために日本原子力研究開発機構の組織や技術の整備を提言した。【共同】

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