医療部会でも改定基本方針の議論本格スタート  PDF

医療部会でも改定基本方針の議論本格スタート

 厚生労働省の社会保障審議会・医療部会(部会長=齋藤英彦・国立病院機構名古屋医療センター名誉院長)で9月22日、次期診療報酬改定の基本方針に関する検討が始まった。出席した委員から2010年度改定で示した4つの視点を引き続き重視するよう求める意見が上がったほか、基本方針の優先順位の付け方で注文が出た。

 10年度改定で定めた視点は「充実が求められる領域を適切に評価していく」「患者から見て分かりやすく納得でき、安心・安全で生活の質にも配慮した医療を実現する」「医療と介護の機能分化と連携の推進等を通じて、質が高く効率的な医療を実現する」「効率化余地があると思われる領域を適正化する」の4点。

 出席した委員から「1度や2度の改定では、指摘した内容の全てが盛り込まれることは難しい。重点課題を含めて基本的には踏襲すべき」(小島茂委員=連合政策局長)、「『視点』は到達目標そのもの。この4本の支柱は踏襲すべき」(高智英太郎委員=健保連理事)などの意見が出た。

 また、中川俊男委員(日本医師会副会長)は基本方針で優先順位を付ける際の前提として、改定財源の規模や東日本大震災などの要素をどこまで想定に入れるのかについて質問。厚労省保険局医療課の鈴木康裕課長は「改定の基本方針はある意味で優先順位を付けること。優先順位を付けた上で、改定率やさまざまな効率化を図った中で優先順位の可能な範囲をカバーすることになる」との見解を示した上で、「優先順位の付け方自体が財源の在り方に左右されるというより、具体的に優先順位を決めて、可能な限りどこまで見ることができるかということ」と回答した。

 これに対し、中川委員は「優先順位を決めるのは賛成。しかし、中医協で合意したものを積み上げて、結果的に重要なことが後回しにされて『お金がないから仕方がない』という手法は今度こそやめてもらいたい」とくぎを刺した。(9/26MEDIFAXより)

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