医療費の対GDP比を11−12%に/栗橋病院・本田副院長

医療費の対GDP比を11−12%に/栗橋病院・本田副院長

 埼玉県済生会栗橋病院の本田宏副院長は7月4日、日本病院学会で講演し、「世界的な高齢化とともに各国の医療費は増加しているが、日本は高齢化率がトップであるにもかかわらず医療費を抑制し続けている」と指摘した。7.9% (2002年) にとどまる日本の医療費の対GDP比率を、G7並みの11−12%に早急に引き上げるべきだと強調した。

 本田氏は、各国の対GDP医療費比率を紹介。スウェーデンが9.2% (02年)、フランスが10.1% (03年)、アメリカが15.0% (03年) などとした上で、「アメリカはこれだけ比率が高いのに、医師を増やそうとしている。日本も今こそ公的資金を注入して、医療費比率を引き上げるべき」との考えを示した。

 また「日本の1人当たり医療費は最低であるにもかかわらず、団塊の世代の高齢化を目前に控え、さらに医療費を抑制するのはおかしい」とも指摘。このままでは全国的な医療崩壊へ発展するのは間違いないとしながら、医療崩壊を食い止めるためには医療現場の実情を訴え続けていくことが不可欠だとの認識を示した。

 医師不足については、OECD平均の人口1000人当たり3.1人を下回っていると指摘。医師の1週間の労働時間についても英国、フランス、ドイツなどはすべての年齢層で60時間を下回るのに対し、日本は59歳まで60時間を超えていると説明したほか、人口当たり医師数が日本よりも多いアメリカでさえ、将来の高齢化に備えて15年までに30%の医学部入学定員の増加を図っているとした。その上で「医師の増員は、医療崩壊を食い止める必要十分条件ではないが、必要最低条件だ」と述べ、大幅な増員を図るべきと強調した。

 本田氏は、医療崩壊の根底には医療費抑制政策や医師の絶対数不足のほかに、医療者側の社会への関心不足もあったと説明。「患者のために医療を崩壊させてはならない。今こそ医療界が大同団結すべきだ」と訴えた。(7/7MEDIFAXより)

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