医療保険改革法案を委員会可決/米上院、共和党議員も賛成  PDF

医療保険改革法案を委員会可決/米上院、共和党議員も賛成

 米上院財政委員会は10月13日、保険業界への規制強化と国民の保険加入率拡大を目指した医療保険改革法案を14対9の賛成多数で可決した。野党共和党のスノー議員が賛成に回り「超党派法案」の体裁がかろうじて整った。オバマ大統領が内政の最重要課題と位置付ける同法案成立に向け前進したが、財源などをめぐる反対が民主党内にも根強く、本会議の審議は難航必至だ。

 オバマ氏は可決後、ホワイトハウスで記者団に対し「スノー議員の政治的勇気に特に感謝したい」と表明し「医療保険改革はかつてないほど実現に近づいた」と語った。

 法案では焦点となった政府主導の公的保険導入を見合わせ、非営利の協同組合を保険市場に参入させる。議会予算局によると、今後10年間の支出は8290億ドル(約74兆6100億円)に抑制され、高齢者らを除く保険加入率は現在の83%から94%に拡大する。

 医療保険改革は上下両院の5委員会が別々に法案を審議。他の4委員会では既に可決済みだが、共和党は財政負担や医療分野への「政府の過剰な関与」を批判し一貫して反対していた。今後は上院財政委の法案が軸となり、上院(定数100)では厚生教育労働年金委員会法案との調整を経て本会議に上程される。【ワシントン共同】(10/15MEDIFAXより)

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