医界寸評

医界寸評

 福田首相の突然の辞任で政権与党は今、新総裁選びにお祭り騒ぎである。各陣営とも景気回復を躍起になって訴えている。一体どの候補者が後期高齢者医療制度をはじめ山積する医療問題を気にかけているであろうか

▼そうこうするうちに、確実に急速に医療崩壊は進んでいる。医療事故調などの対策も、まだまだ議論されることが多く、早期発足は望めそうにない。このまま国、厚労省にまかせているだけでは、医療費削減という間違った基本方針のもと、現場の状況を一切把握せずに愚策を打ち出す役人達の思う壺である

▼ふとテレビを見ると医療崩壊が取り上げられていた。出演者の一人が訴えていたように、もう政府、役人などを頼っていてはだめである。マスコミにいたっては最悪である。今こそ我々医師自らが国民、患者に医療のおかれた厳しい現状を直接語りかけることが重要である。昨今そういった医師会と一般市民との会が各地で催され、どこも大盛況だそうだ。保険医協会も今まで以上に地道な活動を続けていきたい

▼医師数不足の改善、かかりつけ医の充実が最重要課題ではあるが、そうした直接対話という地道な努力により医師、患者がお互いを信頼しあえる関係を築くことで、医療崩壊を少しでも食い止めることができるのではないか。Monster patientが少しでもpatient patientになることを望むのは小生だけではないであろう。(フーちゃん)

【京都保険医新聞第2657号_2008年9月22日_1面】

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