医界寸評

医界寸評

 生命保険会社の不払い問題とその処分が一時新聞を賑わせたことがある。実は同様のことが国民年金でも起こる

▼医師のように職場が数年ごとに変わる職種では記録が国民年金・厚生年金保険・共済組合などに分散されるので記録漏れを防止するために1997年から基礎年金番号によって記録が一元的に管理されることになった

▼しかし前年の96年までに退職した共済組合の記録は一元化されないままなのだ。該当者は自分で記録を掘り出して申告しなければならない。公務員期間がそう長くなければ全体としての年金受給資格は満たすので国民年金は(一部未納扱いとして減額! はされるが)支払われるので気づかない場合もあるだろう。しかし最悪の場合は公務員期間が中途半端に長いと共済組合からの年金も国民年金も共に加入期間を満たさないということで年金なしになってしまうこともあり得る

▼年金制度と民間の保険会社とを比較することは不適切かもしれない。しかし保険会社には本体の支払請求に貼付される診断書などから当然に推定できるものは請求者に確認して支払うべきと調査を義務づけて指導・処分をしておきながら、国の制度である国民年金については、すべて個人の調査と請求に任せるという国の態度には矛盾がある

▼医療に限らず国による社会保障制度の運営には考えさせられるものがある。

(MYCONOS)

【京都保険医新聞第2650号_2008年8月4日_1面】

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