医界寸評

医界寸評

 過誤が認められた医療事故は、当然、賠償金を支払わなければならないことになる。これから話すことは、なにも医療事故に限らず、交通事故等でも共通なことであるが、慰謝料に男女差別があるのでは? と思われることがある

▼後遺障害等級表を見ると、第14級11項に「男子の外貌に醜状を残すもの」とある。ところが、これが女子の場合は12級に等級が上がっている。つまり、外貌の価値は男子より女子の方が上ということなのだろう。慰謝料も自賠責基準で3倍の差がある。ちなみに年齢差別はない

▼例えるならば思春期真っ盛りの男子中学生の顔面に傷がつけられても、お婆ちゃんの3分の1しか慰謝料が支払われないということである。誤解してもらいたくないのは、お婆ちゃんのショックが男子中学生よりも小さいはずであるとか、認められないとか言うつもりは毛頭ない。要は何故、男女の外貌に限って慰謝料の差別化が平成のこの世に残っているのかということである

▼もちろん、女性にとって外貌が大事なことは理解できるが、男女平等が叫ばれる中、少し違和感を持つのが正直なところである。そして、これは男子が差別されているという見方以外に、女子は外貌が大事という、女子への差別にもなっているのではないか? と考えることもできるのではないだろうか?

▼医療事故を調査・解決していく中で、ちょっとした感想である。(フーちゃん)

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