医界寸評

医界寸評

 今年度診療報酬改定からほんの3例。(1)明細書発行体制加算(再診料に加算)。初診の人に加算は不可で、しかも1点。手間や時間をかけて無償が原則、複雑怪奇な点数は説明不可能。役所の住民票でも300円なのに。(2)統一された再診料は、診療所をマイナス2点。地域医療貢献加算は3点新設で、差引+1点と言わんばかりだ。ただし、24時間対応。医師には飲みに行くどころか365日、休日・夜間も関係なく準備をしたらの話。しかも「厚労省は適切かチェックしていきたい」という脅し付きとも。賛成の人もあろうが、ほとんどは実現不可能。(3)在宅患者訪問診療料は830点に据え置きだが、同一建物に居住する複数の患者さんは1人なら830点かもしれないが、2人診るなら200点ということなら、患者さんは医師に「隣を診てからうちに来てくれ」になる。それとも2人なら合計400点か?

▼医師の対策は、(1)は保険者側に請求・説明を誘導。(2)は過労死になるので拒否。患者さんにも安くて喜ばれる逆誘導だ。(3)は一建物一人だけ診てさっさと帰る

▼点数を上げたと言われても、総医療費は減る予定。今の大人達だけで医療費を使わせない方針だと感心させられる。ここまで考えている厚労省はさすがだ。が、いや待て、厚労省は医師数(医学部定員?)を1・5倍にするとか言っている。何が何だか分からない。厚労省は2つあるのか? (名)

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