入って良かった 協会会員の声

入って良かった 協会会員の声

 協会は会員のさまざまな場面に応じたサポート事業を行っています。今回、融資や休業補償、保険請求の問い合わせなど、利用された会員にその経験を投稿していただきました。

困った時の保険医協会

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中島内科 中島 浩樹

 5月に内科診療所をオープンしてもうすぐ半年になろうとしています。保険医協会を初めて知ったのは、一番有利な条件で資金融資をしてくれる先を探していた時です。新築の住居兼用の診療所と5台分の駐車場を含めて購入するには莫大な費用がかかりました。自己資金を差し引いてもまだまだ高額の資金が必要です。高額の融資には当然高額の利息がついてきます。様々なローンを検討しましたが、協会斡旋の新規開業融資が群を抜いて低金利でした。一年間の据え置きも非常にありがたかったです。

 正直なところ融資を受けるために入会したといっても過言ではないような協会とのかかわり初めでしたが、いざオープンしてみると勤務医時代と違ってわからないことばかり……特に今までは医療事務任せだったレセプト業務に振り回される毎日になりました。ようやく基本的なレセ入力が分かるようになっても、在宅医療のレセ入力、内科以外の処置のレセ入力、消耗品のコストの落とし方……もう本当にわからないことだらけです。

 そういったときに気軽に電話で聞けて丁寧に教えていただいているのも保険医協会です。今では、「困った時の保険医協会」という気持ちで非常に頼りにしています。資金調達の目的で入会した協会が今やレセ相談先としてなくてはならないものとなっています。入会時にいただいた協会作成の本も重宝しています。レセプトの詳しい本、薬価の詳しい本、それだけでなく経営や経理の本、監査・指導対策の本……など診療所を経営していくにあたってどれも必要な情報ばかり、これらも非常に助かっています。まだまだ開業医としては駆け出しの身なので知らないことばかりです、毎日をこなすだけで精一杯ではありますが、今後は小児から高齢者まで幅広くホームドクターとして地域医療に貢献させていただくとともに、これからの高齢社会では必ず課題となってくる在宅診療にも積極的に参加していきたいと考えています。わからないことがまだまだ出てくると思いますが、これからも当院への保険医協会のサポートを何とぞよろしくお願いいたします。また、私にとってこの貴重な保険医協会がこれからもますます発展していきますことを心からお祈りいたします。

融資で福利厚生を充実

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草田眼科医院 草田 英嗣

 今年の3月31日をもって病院を退職し、5月に新規開業いたしました。保険医協会にも入会させていただきました。私が長く勤務医を続けてきて感じたことは、多くの病院は生き残るために大変な努力をしていることです。日本医療評価機構やISO、DPCなどの多くの資格を取り、少しでも最新の機器を購入し、設備を整え、各分野の優秀なスタッフたちを確保しようと躍起になっていました。しかし病院の内部から見てみると、緊張の中での仕事、仕事で、そのスタッフ達がほっとする場がほとんどないのが現状でした。緊張ばかり続けておれるものではありません。京都第二日赤当時、眼科独自の医局があり、医局に戻るとほっとしたのを覚えています。済生会吹田病院では、私は福利厚生を担当していました。職員たちの院内旅行や、全職員合同の忘年会などに携わってきました。そのためか自分の新規開業に関しても、福利厚生に関することが頭を離れませんでした。

 それで今年5月の開業に際し、保険医協会にお世話になり、受けた融資の一部を福利厚生に充てることにいたしました。まず、図書館・学習室を兼ね備えたこじんまりしたスタッフルームを作りました。TVやパソコンを使って講習会なども開いています。また、IHを備えた台所やお風呂を設け、その隣には6畳の和室と、着替え用の小部屋があり、昼の休み時間には自由に横になれるようになっています。また、宿泊も可能です。その他には1〜2カ月に一度は何らかのイベントを行っています。ピアニストのザイラー夫妻主催の田植えに参加したり、高雄のもみぢ家での夕食会や大文字の送り火鑑賞なども行いました。診療のためのハード面ばかりではなく、それを動かしていくソフト面にもこれからも気を配っていこうと考えています。

医院のスタッフルーム写真
医院のスタッフルーム

もしも休業補償に加入していなかったら…

(匿 名)

 個人診療所を開設している義父が突然の病気で休業することとなり、保険医協会の休業補償制度(所得補償保険)のお世話になり大変感謝しています。慶びごとであれば実名での掲載をお受けできたのですが、誠に恐縮ですが匿名での掲載の失礼お許しください。

 義父は20年近く元気に診療所を開設していました。年初より体調不良を訴え、病院で精査しましたところ早急に治療すべき疾患が発見されました。翌週から精査・治療のため診療を突然休止せざるを得ない状況となってしまいました。幸い諸先生方のお蔭様で治療は成功しましたが、体力的に診療を継続するのは困難な状況となってしまいました。釈迦に説法ですが、病気とは前触れもなく突然表面化するものです。日々の診療の中で担当する患者様には、突然の病気で休業せざるを得ない状況に際して、病気だから仕方ないと説得している医者自身が、いざ病気になると今更ながらに本当に困ってしまいます。医者不足が叫ばれる昨今、病院にご勤務の先生方の病気休業も大変困難な事態ですが、個人開業の診療所においては、患者様にとっても診療所にとってもまさに死活問題となります。

 義父の突然の病気休業にともない、しばらく病院と診療所の診療を掛け持ちした後、4月にそれまで勤務していた病院に大変な無理とご迷惑をおかけして退職させていただき、現在は診療所の代診医として全面的に診療を担当しています。

 個人診療所の開設医が病気休業した場合、医業収入が途絶えてもリースなどの支払いは待ってくれませんし、仮に代診医を立てることができ、診療所としては医業収入が得られても、開設医と代診医両方の収入をまかなうことは不可能です。幸い義父は保険医協会の休業補償制度(所得補償保険)に加入させていただいておりましたので、休業補償をいただき、代診医の私の給与を捻出することができました。もし義父がこの制度に加入していなければ今頃どうなっていたことかと思うと、必ず加入すべき制度であると、しみじみ思っています。末筆ながら先生方の益々の御健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

【京都保険医新聞第2659号_2008年10月6日_2面】

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