使用病院の65%で不適切使用/微量採血器具の全国調査

使用病院の65%で不適切使用/微量採血器具の全国調査

 厚生労働省は8月6日、微量採血用穿刺器具の不適切使用に関する実態調査の結果を公表した。調査対象となった器具を使用していた病院の65%、診療所の48%で不適切使用が認められた。このうち針を交換せずに使用していたのは島根県と広島県の診療所で各1施設だった。不適切使用に伴う感染症発生などの健康被害は報告されていない。対象器具について厚労省は2006年に複数人への使用をしないように呼び掛ける通知を出していたが、「対応が十分ではなかった」として通知方法などの改善を図る方針だ。

 不適切使用が認められたのは、対象器具を使用していた病院5062施設のうち3291施設、診療所1万7497施設のうち8456施設。介護老人保健施設でも1264施設のうち844施設、特別養護老人ホームなど福祉施設でも2390施設のうち532施設で不適切使用があった。このほか看護師などの養成所でも計321施設で不適切使用が明らかになった。

 不適切使用のあった施設と無回答だった施設は都道府県ごとのホームページで公表している。

 調査対象となったのは、血糖値測定などのために指先から微量の血液を採取するための器具のうち針の周辺部分が交換できないタイプのもの。このタイプは針自体を交換しても針の周辺部分に付着した血液からの感染リスクが否定できないことから、複数人への使用ができない。しかし、島根県の診療所で複数患者に利用していたことが明らかになったことから、厚労省は5月末から全医療機関などを対象に調査を実施していた。(8/7MEDIFAXより)

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