代議員アンケート(49)総選挙の争点について

代議員アンケート(49)総選挙の争点について

調査期間 3月5日〜19日

対象者=97人 回答数=38(回答率39%)

 9月の衆議院任期満了を目前に控え、いよいよ解散・総選挙が近いと言われている。政権交代が実現するかどうかに注目が集まっているが、国民にとって最も関心があることは、新しく誕生する政権がどのような政策を実現するかであろう。経済・雇用・社会保障のどれもが難題を抱えている現状をいかに解決に導くことができるか。政治がその本分を発揮することが求められている。そこで、総選挙の争点について、協会代議員の意見を聞いた。

最優先課題は社会保障

 はじめに、争点として国民に対して問われるべき政策課題として複数項目を挙げ、優先順位を尋ねた。最も点数が高かったのは「社会保障制度のあり方」で、81ポイント。続いて「景気対策」が69ポイント、「雇用対策」が59ポイントと、社会保障を筆頭に今まさに問題となっている事柄が上位に並んだ(表)

反構造改革路線に重点

 次に、個別の課題について、とられるべき政策の方向性を尋ねた。

 社会保障制度のあり方については、「ナショナルミニマムを保障するという国の役割と責任を再確認し、必要な社会保障給付は行う本格的な福祉国家へと制度拡充していく政策に転換すべき」が79%、「医療制度の都道府県単位化に象徴されるような、社会保障制度の運営・管理を国ではなく地方自治体で行う方向に政策を進めるべき」が13%であった。

 景気対策の方向性については、「国内生産・国内消費を後押しする、内需拡大政策をとるべき」が87%、「さらなる規制緩和とコスト削減を進め、輸出競争力強化策を強めるべき」が11%であった。

 雇用対策の方向性については、「非正規労働者の雇用保障や、失業者への再就職支援・技術習得支援を含めた雇用政策全般のあり方を見直すべき」が82%、「雇用に対する規制緩和は現状程度維持し、柔軟な労働市場のあり方を保つべき」が13%であった。

 このように、争点とすべきとされたそれぞれの課題については、全ていわゆる構造改革路線ではない方向に、政策の重点を置くべきとの答えが多数を占めた。

 自由意見でも、「非正規労働者の比率が際立って多い現状をまず是正すべき。正規雇用者を増やす、または増やせるような施策が、長期的には望ましい」「安心できうる社会保障制度をつくることにより、消費もできるということになると思う。まず、福祉の充実を図ることが重要」との社会保障充実を求める意見が寄せられたが、一方で「低成長・低消費社会への準備を進めていく」「消費税を財源とした社会保障費の安定財源が必要」「医学部の定員を増やしただけでは、地方における医師不足は改善されない。新臨床研修制度の不備を認め、地域・診療科ごとの医師の偏在と診療報酬体系の見直しをすべきだ」などの意見も寄せられた。

 協会ではこの結果をもとに、医療・社会保障の充実、そしていわゆる構造改革路線の見直しこそが今求められている課題であるとして、引き続きマスコミ・国会議員への働きかけを行っていきたい。

注)重要だと思われるものを3つを選んで順番をつけて、1番を3点、2番2点、3番を1点としてカウントし、ポイント化した。

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