介護福祉士国家試験の方向性示す/新カリ施行で厚労省検討会が報告書  PDF

介護福祉士国家試験の方向性示す/新カリ施行で厚労省検討会が報告書

 厚生労働省の「社会福祉士及び介護福祉士国家試験の在り方に関する検討会」はこのほど、今後の国家試験の在り方について報告書を取りまとめた。2009年度から社会福祉士と介護福祉士養成課程で新カリキュラムを施行することを受け、試験問題の質の向上や新カリキュラムに対応した出題内容などに言及している。報告書の内容は09年度の社会福祉士と介護福祉士国家試験から順次適用する。

 07年の介護福祉士法改正によって、これまで卒業することで介護福祉士資格を取得できた養成施設卒業者も、国家試験の合格が必須要件(13年1月の国家試験から) となり、資格取得方法が「国家試験受験」に一元化される。同検討会は、こうした状況への対応のほか、これまで20回行われてきた国家試験の実績を踏まえた見直しを検討してきた。

 報告書は、試験問題の作成開始時期の前倒しや、試験委員の選考方法の見直しなどを通して、問題の質向上を図るべきとした。試験問題を公募し蓄えておくプール制については「導入すべき」と指摘。ほかの問題が正解でも、選択すると不合格となってしまう「禁忌肢」の導入は今後の検討課題とした。さらに、問題作成体制の充実が図られた段階で、受験生の利便性の観点から年複数回の国家試験の実施も検討する方向性を示した。

 新カリキュラム施行に当たっては、事例問題を増やすなど出題内容を一部見直すが、総問題数は変更しない。

 現在は社会福祉士と介護福祉士の国家試験を同じ日に実施しているが、「介護福祉士養成施設ルート」などにも国試受験を課すことになるため、報告書は両資格を取得できるよう実施日を分ける必要があるとした。(1/7MEDIFAXより)

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