介護報酬3.0%引き上げ「大きな伸び率」/全日病説明会で鈴木老健課長  PDF

介護報酬3.0%引き上げ「大きな伸び率」/全日病説明会で鈴木老健課長

 厚生労働省老健局老人保健課の鈴木康裕課長は2月4日、全日本病院協会の2009年度介護報酬改定説明会で講演し、次期介護報酬改定について「3.0%の価格上昇と介護サービスの量の拡大を踏まえると(介護の市場規模は)年に5%程度の伸び率となる。経済がこれほど厳しい中で、毎年約束されたこの伸び率は大きい」と述べた。

 次回以降の改定については「そう簡単にはプラス改定にはならない」と指摘し、「いま従事者の処遇が改善されなかったら次回の改定にとって悪影響となる。苦しい中でもできるだけ処遇改善を図るべきだ」と主張した。

 鈴木課長は、地域区分の上乗せ割合が引き上げられたことで、特別区(東京23区)の通所リハビリは3.5%、 介護老人保健施設は2%程度のプラスになると説明。介護福祉士の有資格者割合や常勤割合、勤続年数が加算で評価された点は「加算の要件はいずれかを満たせばよいことになっており、ほとんどの施設がどれかに当てはまる」と話し、各サービスで着実に収益増につながるとの見方を示した。その上で「具体的にどの程度の実入りがあるかを計算し、早い時期に昇給などの処遇に反映してほしい」と話した。

 介護従事者対策に当たって、基本サービス費を引き上げず加算で評価した理由については「基本単価を引き上げると、手厚くしている事業所もそうでない事業所も同時に上がってしまい、3.0%の中身が薄くばらまかれてしまう。加算を収益に回すのではなく、きちんと処遇に反映する事業所を評価するという考え方だった」と説明した。

 さらに「今回は診療報酬と同時改定でもなく、大きな見直しはできなかった。次回改定以降には制度を見直していかなければならない」と指摘。今後の検討課題として、補足給付の見直しや特別養護老人ホームの夜間の医療ニーズへの対応などを挙げた。今後の介護事業運営に当たっては「制度改正リスクに一定程度対応できるよう、サービスの多様化を図る必要がある」と述べた。(2/5MEDIFAXより)

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