京都府、受診率を独自調査へ/胃がん健診率「最低」に異議

京都府、受診率を独自調査へ/胃がん健診率「最低」に異議

 胃がん健康診断の受診率が全国最低となるなど、国のがん健康診断受診率調査で京都府が都道府県で最低レベルとされたことを受け、府は国の調査が必ずしも現状を反映していないとして、9月にも府内のがん健診の実態調査に乗り出す。

 都道府県が国の調査に対し、独自に調査をするのはあまり例がない。同様にがん健診受診率が低いとされる東京都も、実態調査を行うという。

 2006年度の国の「地域保健・老人保健事業報告」によると、府のがん健診受診率(市町村健診) は、大腸がん(8.6%)、子宮がん(11.1%) がともに下から2番目で、胃がんは最下位の5.1%だった。国や府は、4年後にがん健診受診率を70%にする数値目標を掲げている。

 府健康対策課は「調査の対象者数の取り方に統一した基準がないうえ、市町村が行った健診の受診者しか数えていない。事業所で行われる健診を、従業員の家族が受診しているケースなどは必ずしもデータに反映されていない」と、国の取り組みの問題点を指摘している。

 このため、都市部を抱える府県の方が健診受診率が低い傾向にあるほか、医療機関の数も受診率を左右している可能性がある。

 府は9月から住民を対象に▽健康診断受診の有無▽どこで受診したか▽受診しなかった理由―などのアンケート調査を実施する。病院や各保険の運営団体などでも利用実態調査を行う。府健康対策課は「実態を踏まえて、がんの早期発見につながる受診促進策を進めたい」としている。

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