主張/協会活動に積極的意見を

主張/協会活動に積極的意見を

 京都における各種医療団体は我が保険医協会をはじめ、府医師会、各地区医師会、私病協、府病協等々それぞれの立場から、厳しい医療状況の中、府・市民の健康を守りつつ、会員・組合員の利益を守るための活動を行っていることは周知の通りである。

 一方、医業が利益追求であってはならないことは、最も根源的課題であり、医師である我々の極めて重要なスタンスと考えるが、昨今の情勢から言えば利潤どころではなく、医師免許を持ったタクシー運転手の存在する国や、医師賠償責任保険の支払いのため医師が廃業を余儀なくされることさえある国等の二の舞にもなりかねないところまで切羽詰まっているというのが実情ではなかろうか。

 このような情勢の中、京都府保険医協会は59年の伝統と実績の上で、会員の立場に立った運営がなされてきた。保険請求上の実務的サポート、金融面でのサポート、医療事故の際のいざというときの支援等々の直接的援助、社会保障や医療政策についての提言の一方、ハイキング、料理教室、ジャズを楽しむ会等のゆとり面での活動も少なくない。本年七月の総会では、保険医新聞上、短歌コーナーがなくなったことを惜しむ声のあったこともこれらの活動が会員諸氏に根ざしていることの証しではなかろうか。

 しかし、先に述べたごとく会員の置かれた状況は日々厳しさを増している。具体的には、診療報酬の度重なるマイナス改定、目前に期限の迫ったオンライン請求問題、患者意識の変化に伴う医療訴訟の増加等枚挙に暇がない。この中で、当協会においても、新規開業の会員を個別に訪問し支援する取り組み、昨年立ち上げられた医療IT化問題検討会等、会員に直接資する企画も少なくない。

 その一方で、当協会は会員からの貴重な会費をその運営基盤としているのであるから、協会活動の全てが会員の目線に立ったものでなければならないはずであるが、これに対して一部疑問の声のあることもまた事実である。今まさに、協会は内部改革を断行し、今まで以上に分かり易く・親しみやすい・開かれた・役に立つ活動を一層目指すべき岐路に立っているといっても過言ではなかろう。この認識の上であれば、必要に応じて活動内容の見直し・改善も選択肢の一つとなって然るべきである。

 会員各位には、ぜひとも協会に対する疑問・要望をお寄せいただきたい。そして、気軽に医師会館3階の当協会をお尋ねいただければと考える。手近な事務局員にお声かけいただき、粗茶のご所望でもいただければ幸いである。それは会員各位とのコミュニケーションを最も重要と考えるからに他ならない。

【京都保険医新聞第2657号_2008年9月22日_1面】

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