主張/医師賠償責任保険制度の理解と協会のご利用を!  PDF

主張/医師賠償責任保険制度の理解と協会のご利用を!

 3月12日に「医療安全シンポジウム―医事紛争と医師賠償責任保険」を開催した。このシンポジウムは毎年開催されており、例年のシンポジウムでは、会員のニーズに沿った紛争予防とその対応に、主眼を置くテーマが選ばれていたが、今回はそれに加えて、医師賠償責任保険制度にも焦点を当てた。

 医賠責保険は、損保会社の社員も言う程に、我が国においても極めて複雑な保険制度となっている。それは医学・法学上の高度な専門知識と経験を要するもので、一般的に言って、交通事故の保険のようにはいかないのは周知のことと思われる。もちろん、協会はその複雑な制度を会員に対して、より分かりやすく、また、より利用しやすいように努力しており、そこに我々の存在意義はあると思っている。

 今回のシンポジウムの中でも、実際に言及されたことだが、1990年代後半から2000年代前半までは、医事紛争が急激な増加傾向を示し、それに伴い保険金適用もそれ以前の数倍に及んだ。2010年代に入った現在は、幸いなことに減少傾向に転じているが、当時の影響は未だに続いており、一部の医療機関の保険料高騰に繋がっている。誠に残念ながら、その保険料に耐えられず、医賠責を脱退された医療機関もごく一部であるがあった。

 しかしながら、今年になって、再加入を希望される医療機関が見られるようになった。その詳細な理由は分からないが、やはり50年の医療安全対策の歴史を持つ協会に、万一の際には相談したいとのこと。協会としてもこれほど有り難いことはない。医療安全を担当する理事者は当然ながら、事務局も一丸となって、困っている会員がいれば即時対応したい所存に変わりはない。各会員には医師賠償責任保険の制度をより熟知していただき、万一の際には、是非とも協会のご利用を重ねてお願いする次第である。

 なお、シンポジウムの詳細な内容については、冊子にまとめて全会員にお送りする予定なので、送られてきた際には、必ず一読していただきたい。

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