主張/チーム医療について考える  PDF

主張/チーム医療について考える

 最近、一般新聞紙上でもナースプラクティショナー(NP)や、特定看護師に関する報道や解説を見かけるようになった。医師不足、医療崩壊を背景に2007年頃から「規制改革会議」等が医師と看護師ら医療従事者の役割分担を求めていたが、昨年8月、厚労省は「チーム医療の推進に関する検討会」を立ち上げて、欧米のNP等も検討した上で、今年の3月、新たな看護職として「特定看護師(仮称)」を提案した。NPと違う点は、医師の指示に基づいて特定の医療行為を行う点で、看護師の一定経験を経て、認定大学院で修士課程を終了後認定評価を受けることが例示されている。

 日医はNPや特定看護師に反対で、現行法の中での看護師業務の拡大、いわゆるグレーの領域の中から看護師が実施可能な範囲を明らかにする立場である。日本病院会や全国自治体病院協会はNPの導入に賛成の意見が多く、特に外科系の学会は外科医療崩壊をくいとめる1つの手段と考えており、日本胸部外科学会、日本循環器学会は「フィジシャン・アシスタント」(PA)の導入を提言している。

 日医と勤務医、外科系学会の考え方の違いが浮き彫りにされた格好である。日医が言うように、医師の仕事は医師がするというのは筋論としては正しいが、勤務医の切羽詰まった状況も聞く必要がある。現代の高度化、複雑化した医療において、医師だけで担うことは限界であり、チーム医療としてそれぞれの医療者の役割分担を見直すことは大事であり、看護師のみでなくコメディカル全体の業務を一定拡大し、医師はコーディネート機能を発揮すべきではないだろうか。

 看護師の業務は保助看法によれば、「療養上の世話」と「診療の補助」となっており、診療の補助が拡大すれば、当然療養上の世話を看護補助者等と連携・協働する必要があり、チームで対応する時代になっている。日医の言うように、いわゆる「グレーゾーン」の中から現行の看護師にできることを明示し、その上で特定看護師の導入を検討する必要がある。

 その際、すでに動き始めている現行の認定看護師や、専門看護師をどう位置付けるのか、あるいは、再編するのかも検討する必要がある。医師周辺の業務見直しにより、(1)医療の安全と質が脅かされないか、(2)医師養成対策がおろそかにならないか、(3)安上がりの医療、ひいては医療費抑制、診療報酬抑制に利用されないか、など問題点は多々あるが、チーム医療の充実が急務である現在、議論は避けて通れない。(2面に解説)

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