与謝・北丹医師会と懇談

与謝・北丹医師会と懇談

国保一元化の方向に危惧

2月27日 みやづ歴史の館

19人が出席して開かれた与謝・北丹医師会との懇談会
19人が出席して開かれた与謝・北丹医師会との懇談会

 協会は2月27日、与謝・北丹医師会との懇談会を開催。与謝医師会から12人、北丹医師会から7人が出席し、与謝医師会の岡所明良常務理事の司会で進められた。

 与謝医師会の中川長雄会長から、与謝地区と北丹地区では医師の構成は多少違うが、診療にかける思いは同じあり、優秀な医師達が日々の診療にあたっている。また、昨年度から京都府によって丹後地域の医療再生計画が実施されているが、協会もこの地域が少しでもよくなるように再生計画を見守ってほしい。本日は診療報酬改定など様々な問題について自由闊達な意見交換を行いたい、と挨拶した。

 その後、関理事長の挨拶、協会からの情報提供の後、意見交換を行った。

 地区から国保の一元化問題について触れ、北部は京都市内に比べて国保の加入者の割合が高いが、逆に保険料は低く、一元化すると北部の加入者は現在よりも保険料が高くなるのではないかと危惧される。京都市内と北部では、所得格差もあり、保険料が上がれば、ますます人口流出に拍車がかかるなど悪循環に陥る恐れがあるとの意見が出された。

 協会からは、保険料が低い地域は高い地域に合わせざるを得ない。そういったことからも、国保一元化は無理である。協会は財政責任を含めて、国が国民の医療に責任を持ち、運営は各市町村にまかせる全国一本の医療制度を提言していると強調した。

 また、今次診療報酬改定において、レセプト電子請求を行っている医療機関は原則診療明細書の発行が義務化されるが、個人情報保護の観点からも診療明細書は従来通り、「希望者のみに発行する」ものとしてほしいとの要望が出された。

 協会からは、詳細な診療内容が必要な患者は、現在でもカルテやレセプトの開示請求で対応できる。診療明細書の発行は、個人情報保護や窓口の混乱などが予想され、従来通り希望者のみへの発行で十分であり、明細書発行の義務化には反対であると伝えた。

 さらに、医学部の入学定員の増員について、女性医師がキャリアを積めるような体制や、働きやすい職場環境をいかに整備していくのか、という議論をしなければ、結果的に医師は増えないと考える。協会が先頭に立って女性医師に関する問題提起をしてほしい、との意見が出された。

 協会からは、女性医師の環境整備は重要な問題であると認識している。保団連の女性部では、2007年に「女性医師の働く環境改善のために」という提言で、国に対して「医師労働条件に見合った保育制度、子育て支援策の拡充とワークシェアリングなどの勤務形態の工夫」など5項目をあげており、今後も環境改善に向けて要求していきたいと述べた。その他にも、新型インフルエンザ問題や新医師会館入居問題について意見交換した。

 最後に、北丹医師会の笹野満会長は、医療財政の厳しい中、健康保険料が上がる一方である。今後、非常に厳しい状況になると思うが、協会としてもしっかり考えてほしいと締め括った。

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