下京東部医師会と懇談

下京東部医師会と懇談

11月6日 ホテル日航プリンセス京都

在宅療養環境の未整備を危惧

 下京東部医師会との懇談会は11月6日、市内のホテルで開催した。出席は地区から17人、協会から6人。下京東部医師会・垣田時雄副会長の司会で進められた。

23人が出席して開かれた下京東部医師会との懇談会
23人が出席して開かれた下京東部医師会との懇談会

 冒頭、小山秀樹会長は、今後5年間、毎年社会保障費が2200億円削減され、診療報酬の引き下げ、あるいは患者の一部負担引き上げが行われるのではないか、と危惧している。また、療養病床削減問題を引き金に、今後各地区で在宅医療の重要性は高まってくるが、現在の少子化・核家族化の中、地域に患者が戻ってきても在宅支援診療所だけでは対応できない。次回改定では診療報酬・介護報酬ともに引き上げて、訪問看護ステーションや介護療養型老人保健施設の医師・看護師数の増加が行われることを切望すると挨拶された。

 意見交換では、地区から京都府の医療費適正化施策について、施策の中心は4疾病5事業ごとに各地域で「医療連携体制の構築」が言われているが、今後この4疾病以外にどういった疾病が対象とされるのか。また、在宅医療の問題について、以前から危惧しているのは「受け皿」が未整備だということだ。現状では、病院から在宅での受け入れ要請があっても、家族等の介護力の問題を検討した上で、受け入れの是非を判断している状況だが、介護療養型老人保健施設へ転換する病院をもっと増やして、そこへ医師のパワーをつぎ込む方が効率的だとの意見が出された。

 協会からは、国の「適正化」に向けたターゲットは慢性疾患と長期入院である。4疾病で医療連携体制がうまく構築できれば、今後他の疾病でも同様のことが考えられるかもしれない。現在、地域クリティカルパスが構築されている「大腿骨頸部骨折」も、今後対象になるのではないかと考えている。また、在宅医療については、新たな仕組みも大切であるが、これまでに築きあげてきたネットワークをどのように発展させていくか、また「在宅療養支援診療所」をいかに普及させるかが重要であり、そのためにも診療報酬点数の上乗せと、24時間受け入れ体制等の緩和が必要である。さらに、介護療養型老人保健施設への移行問題については、今回の診療報酬改定で期待していた程の点数が配分されなかったので、転換を考えていた施設も取り下げたようだ。厚労省は介護療養型老人保健施設等を、療養病床削減の受け皿として進めているが、全く中身が伴っていない。転換した病院の経営が成り立つようなものでなければ、今後も転換は進まないと考える。介護を含めた福祉医療の大転換が必要であると述べた。

 その他には、医療訴訟やレセプトオンライン化問題についても意見交換を行った。

【京都保険医新聞第2669号_2008年12月15日_5面】

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