一般病床のみの病院、半数近くが赤字/全日病調査  PDF

一般病床のみの病院、半数近くが赤字/全日病調査

 全日本病院協会は10月30日、2008年度の病院経営調査結果を公表した。「一般病床のみの病院」では、半数近くの病院が総収支で赤字となったほか、医業収支率、総収支率の平均がいずれも99.6%となり、調査開始以来初めて平均が赤字となった。会見した猪口雄二副会長は「本体0.38%引き上げとなった08年度診療報酬改定では、産科や小児科など地域の基幹的病院に配分されやすくなっており、特に急性期の民間病院は極めて厳しい経営状態となっている」と分析している。

 全病院の平均医業収支率は102.3%、総収支率は102.0%で、いずれも前年度より1.9ポイント悪化した。医業収支率は1993年の101.4%に次いで低い水準となった。

 全病院に占める総収支赤字病院の割合は34.4%。一般病床のみの病院で46.4%で、「療養病床のみの病院」の24.3%や「一般・療養病床併設型病院」の27.6%などと比べて高かった。「一般・精神病床併設型病院」のうち赤字となったのは66.7%だった。

 7対1一般病棟入院基本料を算定する病院の平均医業収支率は99.0%となり、看護体制の整備に伴う人件費が収益増を上回っていることをうかがわせた。

 病床規模別では、200床未満の病院の平均医業収支率が104.6%だったのに対し200床以上では100.2%と、大規模病院が厳しい経営を迫られている状況が浮き彫りとなった。DPC対象でない病院の平均医業収支率は104.2%だったが、DPC対象病院では98.6%と、DPC対象病院が赤字となった。全日病は「客対数が少ないので一概には言えないが、DPC対象病院は一般病床かつ大規模病院が多いため」と分析している。

 医業支出に占める給与費の割合は54.3% (同0.6ポイント上昇)、医薬品費の割合は11.9% (同0.2ポイント上昇) となった。病床利用率は84.2% (同1.2ポイント低下)、1病院当たりの月間外来患者数は5094人(同318人減) だった。入院患者1人当たりの1日の金額は3万334円(同545円増)、外来患者1人当たりの1日の金額は9759円(同376円増) となった。

 会員の500病院を対象に、08年5月の医業収支、総収支などを尋ねた。288病院(回答率57.6%) から回答があった。(10/31MEDIFAXより)

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