レセプトオンライン請求義務化問題で副理事長声明

レセプトオンライン請求義務化問題で副理事長声明

保険部会担当副理事長 鈴木 卓

 この声明は民主党を中心とした新内閣が誕生したことに伴い、鳩山由紀夫内閣総理大臣と長妻昭厚生労働大臣及びマスコミ各社に送付するとともに、9月26日の民主党との懇談でも要望した。

我々は厚生労働省令第111号の即時凍結を求めます
拙速・強権的な現厚生行政を改め、政治主導で解決を

 2009年8月30日第45回衆議院議員選挙において、民主党が308議席を獲得して圧勝し、「政権交代」が成し遂げられました。新政権の核となる民主党は、今回の選挙マニフェストで診療報酬のオンライン請求「完全義務化」を「原則化」に改めることを掲げています。この歴史的転換期に立ち、我々は新政権に対して、現在なおオンライン請求義務化を強引に押し進めようとしている官僚主導の現厚生行政を即刻改めさせ、政治主導でこの混乱を解決されるよう強く要望します。

 そのためには、オンライン請求義務化を規定した06年4月10日付厚生労働省令第111号を撤回することを求めますが、先ずはその即時凍結を求めます。そして、オンライン請求に限定することが医療関係者・患者・国民の利益に資するのか、また医療の現物給付を円滑に機能させるための診療報酬請求方法として妥当適切な方法なのか、問題点を再検討された上で、オンライン請求は請求方法の一つとして位置付けることを求めます。

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 今年3月31日『規制改革推進のための3か年計画』の再改定が閣議決定され、「義務化において原則現行以上の例外規定を設けないこと」と「原則」の文言が追加されるとともに、「その際、地域医療の崩壊を招くことのないよう、自らオンライン請求することが当面困難な医療機関に対して配慮する」との文言が追加されました。医療関係団体の努力により、現実的な緩和策が配慮されるものと期待していました。

 ところが、5月8日の『改正省令』では対応困難な対象病院に対し、とりあえず「平成22年3月31日までの間で厚生労働大臣が定める日までは」猶予期間とされ、大臣発令が全くないにもかかわらず、同日厚生労働省保険局は「半年以内を目途に設定する」との局長通知を発出。5月からは対象医療機関に、支払基金を通じて毎月「準備状況表」を提出させた上、審査支払機関には「勧奨」を強要した上に勧奨状況を報告させ、地方厚生局からは健保法第73条を振りかざして「指導」という名の脅しを行っています。さらに保険局は8月28日、11月提出分からオンライン請求以外認めないと事務連絡しており、対象医療機関は、診療報酬が支払われなくなるのではないかと、恐怖に慄いています。

 この背景には、規制改革会議が5月7日付の『見解』の中で、最長1年間の経過措置は「極めて不適切」と槍玉に上げ、「可能な限り速やかに猶予期限を定め、月次の進捗管理に基づき状況を逐次公表するとともに、厳格な指導監査を行うべき。加えて、猶予期限到来後は、診療報酬を支払わない旨も徹底すべき。今回のような措置が再度講じられることがあってはならない」と頑なに主張し、それに屈服した厚生労働省保険局の姿が見えます。内閣府の一審議会に過ぎない規制改革会議の主張に、官僚が従わされ関係者に負担を強いている現状は、議会制民主主義の軽視、政治不在の最たるものです。

 さらに今後、喫緊の問題として、厚生労働省保険局は09年度半ばからは、10年4月に期限を迎える医療機関、即ちレセプトコンピュータを使っている全国の診療所と病院に対しても、毎月「準備状況表」を提出させ、同様の「勧奨」と「指導」を行うと規制改革会議に回答しており、この行政の/強権/を行使させないことも必要になっています。

 これら厚生労働省の猶予期限を巡る対応は、全て通知あるいは事務連絡であり、大臣の名を冠した文書は一つもありません。我々は重ねて、早急に政治主導でオンライン請求義務化を凍結して、この混乱を解決することを、新政権に対して強く求めます。

 2009年9月16日

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