レセプトオンライン請求義務化の向こうにある「社会保障カード」 国会議員への要請を実施

レセプトオンライン請求義務化の向こうにある
「社会保障カード」国会議員への要請を実施

 協会は1月15日、衆参の議員会館に京都選出国会議員を訪問し、レセプトオンライン請求義務化、「社会保障カード」「社会保障番号」について要請した。

 当日、面談できた議員は、福山哲郎議員(参・民)、川合孝典議員(参・民)、市田忠義議員(参・共)、井上哲士議員(参・共)、前原誠司議員(衆・民)、穀田恵二議員(衆・共)の6議員。浮島とも子議員、中川泰宏議員の政策秘書とも面談した。他の議員に対しても秘書を通じて資料を提出した。

 要請では、「レセプトオンライン請求義務化」を突破口に、今後大きな問題となることが予想される「社会保障カード」「社会保障番号」について危惧するところを伝え、理解を求めた。

 社会保障カード導入について、政府やその推進の立場からは、(1)新たな年金記録管理体制の確立になり、消えた年金問題、消された年金問題の再発を防ぐことができる、(2)国民一人ひとりの所得を捕捉し、本当に必要な人に社会保障が給付されることに資する、(3)国民への迅速な情報提供、医療・年金・介護・高齢者医療等、分立する社会保険の保険者間の連携が迅速化する等、各制度の運営、行政の効率化に資する、等がそのメリットとして強調されている。

 しかし、協会からは危惧する点として要請書において、次の3点を指摘した。(1)国民の受診状況、健康状況など、究極の個人情報を国が取り扱うことに伴う情報漏えいや、情報の民間活用に対し不安・不信が払拭できない、(2)医療分野では保険給付の抑制・縮小に結びつくことが考えられる。また、社会保障の総合化が言われる下、保険料をはじめとした個人の「負担」と「給付」のリンクが容易になり、「負担しない者には給付を行わない」政策に活用されることが予想される、(3)社会保障番号・社会保障カードの具体的な姿が定まらない現状においても、導入のためのシステム開発費等、初期経費(国のレベル、自治体・保険者レベル、医療機関等レベル)が厖大なものになることは確実。また、経常経費・維持費も当然必要であり、それらの費用を負担するのは誰なのか。医療・福祉への財政出動の拡大が求められる中、本当にそれは必要なことなのか。(5面に続く)

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