プルサーマル計画見直し/10年度16−18基は困難  PDF

プルサーマル計画見直し/10年度16−18基は困難

 一般の原発でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を燃やすプルサーマル計画について、電気事業連合会(東京)が、原発を持つ電力各社に計画見直しを検討するよう要請したことが6月4日、分かった。

 2010年度までに全国16−18基の原発で実施するとの目標は、現状では事実上困難になっている。国の原子力委員会も計画見直しの意向を示していた。

 九州、四国、中部の3電力会社は10年にかけて3原発の計3基でプルサーマルを開始する予定だが、その他の電力では具体的な開始時期は依然、未定。目標達成は困難な情勢で、全体計画は見直される公算が大きい。

 原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムなどを取り出し、再び燃料として使う、国の「核燃料サイクル」政策は、プルサーマルの実施が前提となっており、計画見直しは原子力政策の先行きにも影響しそうだ。

 国内では青森県六ケ所村の再処理工場が試運転中だが、電力各社は長年、核燃料再処理を英国とフランスに委託。既に再処理で生じたプルトニウムを保有している。このうち九州、四国、中部の3電力は共同でフランスからMOX燃料を海上輸送し、5月に輸送船が日本に到着。九州電力は11月に玄海原発3号機で国内初のプルサーマルを始め、四国は伊方3号機で10年1月から、中部は浜岡4号機で10年夏以降にMOX燃料を原子炉に入れる予定だ。【共同】

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