プラス改定に意欲「少しでも上積みを」/小宮山厚労相  PDF

プラス改定に意欲「少しでも上積みを」/小宮山厚労相

 小宮山洋子厚生労働相は9月12日、専門紙記者クラブの共同会見で、2012年度の同時改定について「少しでも上積みしたい」と述べ、プラス改定に意欲を示した。同時改定延期論が出ている中で改定を実施するつもりがあるかと記者団に問われ、小宮山厚労相は「6年に1度の同時改定。社会保障改革全体にとっても大きなテーマの一つであり、やらなければいけないと思っている」と明言した。

 改定率については「予算編成作業で決定されるため、今の時点で改定の方向性について申し上げることは難しい」と慎重に言葉を選んだが、野田佳彦首相が就任直前に「基本的にマイナス改定はない」と発言したことを記者団に指摘されると、「なるべく今までの方針に沿ってやりたいと考えており、(マイナス改定はないという野田発言についても)そういうことだ」と述べ、プラス改定に前向きな姿勢を示した。その上で「今の苦しい財政状況の中で大きくプラスということはあり得ないが、少しでも上積みしたいという気持ちだ」と現在の心情を明かした。

 同時改定のポイントについては「医療・介護施設の機能分化の推進、地域での連携体制の構築、地域包括ケアの実現に向けた在宅医療や介護の充実などに取り組む必要がある」と述べた。

 介護職員の待遇改善策については「介護職員処遇改善交付金の実施で、従来より平均給与額が増加し、介護分野の有効求人倍率も低下した。ただ、今の給与引き上げの半分ほどは一時金の支給によるもので、継続性が弱く、依然として離職者が多い。これを踏まえて予算編成過程で検討したい」と述べた。今後の待遇改善策について、交付金を制度上に位置付けて対応するか、あるいは介護報酬で評価するか、どちらを選ぶかについては「まだ結論が出ていない」とした。

 12年度厚生労働省予算概算要求の内容については▽医療・介護報酬同時改定や制度の見直し▽子育て支援予算の在り方の見直し▽基礎年金の国庫負担割合2分の1の財源確保▽若年者の就労促進・人材育成など雇用対策の推進―などが柱になると説明。さらに「政府予算の半分を厚労省が預かっており、国民生活に直接関わることが多い。厚労省内でも無駄な部分に切り込んだ上で、国民の安心のために必要な予算だということを財務省と折衝していきたい」と語った。(9/13MEDIFAXより)

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