ヒブワクチンを一刻も早く定期接種に!

ヒブワクチンを一刻も早く定期接種に!

ワクチンは子どもたちにとって最高のプレゼント

 細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会が主催する「『ワクチンで防げる病気』正しく理解して、子どもたちを守ろう!!」セミナーが11月24日、大阪・梅田で開催され、医師や保護者など24人が参加した。

セミナーのもよう
セミナーのもよう

 第1部は、「VPD…ワクチンで防げる病気」と題して、「VPDを知って、子どもを守ろう。」の会運営委員副代表の藤岡雅司氏が講演。ワクチンやワクチンで防げる病気の基礎知識を説明した上で、日本で受けられるワクチンが世界と比べて圧倒的に少ない実態を示し、小児科医として、すべての子どもたちが必要なワクチンを経済的な負担を考えずに安心して受けられることを望んでいると訴えた。

 第2部は「細菌性髄膜炎を防ぐワクチン…ヒブワクチン」と題して、細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会副代表の武内一氏(耳原総合病院小児科)が講演。細菌性髄膜炎の起因菌や感染ルートなどの詳細な説明や、患者家族へのアンケート調査結果を基に、治療開始時期と予後の関係のデータなどを示した。発熱後2日後を境に、後遺症や死亡が増えることからも、細菌性髄膜炎は早期発見が重要であるが、その早期発見がきわめて困難であることから、ワクチンを早期に定期接種化する必要性を訴えた。

 セミナー終了後は、保護者と医療従事者に分かれてトーク。事務局が参加した保護者側では、細菌性髄膜炎に罹患し、後遺症が残った子がある保護者が、ヒブワクチンがようやく日本でも12月19日に発売されるが、今後、細菌性髄膜炎に罹患したとしたら、ヒブワクチンが販売されていなかった時期に当事者家族が受けたワクチンの存在を「知らなかった」という自分自身を責める気持ちよりも、はるかに強く「知らなかった」ことをご家族が後悔し自分自身を責めるのではないかと心配していると訴え、守る会として今後も粘り強く、ヒブワクチンの必要性を啓発していくとともに、さらにヒブワクチンの定期接種に向け取り組むことを確認した。

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 12月4日には、大阪堺市・耳原総合病院にて、細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会(以下、守る会)の田中美紀代表、武内一副代表とともに、サノフィパスツール第一三共ワクチン株式会社営業部長・村田直樹氏から、ヒブワクチンの供給体制について説明を受けた。

 さまざまな情報が錯そうしているようだが、ぜひとも、必要な量は発注してほしいとのことだった。

【京都保険医新聞第2669号_2008年12月15日_5面】

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