タバコの誤飲事故は乳幼児に集中/厚労省・家庭用品健康被害報告  PDF

タバコの誤飲事故は乳幼児に集中/厚労省・家庭用品健康被害報告

 厚生労働省はこのほど、2007年度の「家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」を公表した。小児が家庭用品などを誤飲した事故の報告は前年度と比較して1.2倍に増加した。原因製品は「タバコ」が最も多かった。タバコの誤飲事故の発生は6−17カ月の乳幼児に集中している。

 厚労省は毎年、家庭用品などによる皮膚障害や小児の誤飲事故についてモニター病院から情報を収集しているほか、日本中毒情報センターが収集した吸入事故の情報提供を受けて報告書をまとめている。これらの健康被害報告の内容は、家庭用品専門家会議の確認を経て公表する。

 07年度報告によると、小児の誤飲事故の報告は777件で、前年度646件から131件増。原因となった家庭用品はタバコ261件(33.6%)、医薬品・医薬部外品137件(17.6%)、玩具60件(7.7%) などとなっている。誤飲事故の発生時刻は夕刻以降に増加する傾向が見られ、午後4−10時の発生が全体の約55.0%を占める。

 タバコの誤飲事故の発生は例年と同様、ハイハイやつかまり立ちを始める6−11カ月の乳児に集中し、報告は146件で全体の55.9%に上る。12−17カ月の幼児は69件で、両者を合わせた乳幼児の報告は215件となり、全体の82.4%を占めている。

 137件の報告があった医薬品・医薬部外品の誤飲で、症状が認められたのは25件。悪心、嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状が最も多く、入院事例も12例あった。特に1−2歳児に多く、報告は88件に上った。消化器せん孔を起こす可能性のある電池の誤飲は依然として多く、12件となっている。

 一方、吸入事故の報告は842件で、前年度728件の1.2倍。原因を種類別に見ると、殺虫剤(医薬品などを含む) が最も多く210件(24.9%)。次いで洗浄剤(住宅用・家具用) 133件(15.8%)、芳香・消臭・脱臭剤88件(10.5%) など。年齢別では9歳以下の報告が358件(42.5%) と多かった。

 皮膚障害の報告は62件で、前年度の60件と同程度。このうち女性の報告が44件(71.0%) となっている。1事例に対し複数の原因・障害が報告されたケースもあった。原因となった家庭用品は装飾品15件(17.6%)、時計バンド7件(8.2%)、時計・ベルト各6件(7.1%) など。このほか、めがね、革靴、くつ下などによる報告もあった。皮膚障害は、刺激性皮膚炎が31件(46.3%)、アレルギー性接触皮膚炎が30件(44.7%) で大半を占めている。(1/8MEDIFAXより)

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