このままで在宅は進められない 地区会員アンケートの中間集計まとまる

このままで在宅は進められない
地区会員アンケートの中間集計まとまる

 京都府は法定計画である「都道府県医療費適正化計画」(「京都府中期的な医療費の推移に関する見通し」)を2008年8月に策定。平均在院日数短縮によって約154億円の医療費の削減を見通している。そのために、高齢者を中心とした入院患者の在宅化を推進する方向が打ち出されている。こういった流れの中で、今後、地域の開業医に対し在宅医療・在宅終末期への参加を求める動きが強められてくると考えられることから、このような医療費適正化ありきの在宅医療・在宅終末期の推進について、その是非を問い、併せて「在宅」への取り組みの現状を明らかにするために、地区医師会所属の開業医会員を対象にアンケート調査を実施し、このほど中間集計をまとめた。

 それによると、医療費削減のための在宅推進には8割が反対。早期退院・「在宅」化を進めることには65%が反対。在宅医療推進への対応で「積極的に」との回答は21%に留まった。

 そこで、医療費削減のための在宅推進に反対が多数となることには当然の結果だが、「在宅」化の推進や、在宅医療に積極的に取り組むとの意見が少数となったことの背景として、大きく分けて、医療機関にとっては今以上の負担が難しい状況と、核家族化が進み介護力が乏しい患者・家族の状況という二つの面からの困難さが見受けられた。同様に終末期も在宅だけでは難しく、在宅を充実させる条件が、一般に在宅とは反対のものと考えられてきた病院・施設の充実にこそあるという結果が出た。

 医療機関の状況をみると、週平均1・86日在宅診療を行い、携わる在宅患者数は平均6・58人、ひと月の夜間・休日における緊急往診や電話対応の平均回数は6・76回。内科・内科標榜ありの診療所に限ると、在宅診療2・54日、在宅患者数9・62人、時間外対応平均回数5・95回となり、82%の診療所が常勤医師1人というなかで、可能な限り在宅に取り組んでいる開業医の姿が明らかとなっている。

 「在宅か病院・施設か、患者さんが選択できることが大切」。これが多くの意見であった。つまり必要なことは、「在宅へ」だけではなく「在宅も病院・施設も」を実現する施策であるべきである。そのためには、在宅を含めて療養生活を支えるための基盤整備・システム作り、その裏付けとなる予算措置が不可欠であり、同時に介護保障も同様に充実させる施策に取り組まなければ、医師も患者さんも安心の超高齢社会を実現することはできない。

 最終報告は09年4月頃にまとめる予定。(8面に関連記事)

【京都保険医新聞第2669号_2008年12月15日_2面】

ページの先頭へ