「人体の不思議展」は開催中止を 理事会声明 人権・人道上重大な問題  PDF

「人体の不思議展」は開催中止を 理事会声明 人権・人道上重大な問題

 「人体の不思議展 最終公開」が、12月4日から1月23日まで京都市勧業館「みやこめっせ」で開催される。模型ではなく人体そのものを展示する「人体の不思議展」は、これまで全国各地で行われており、評判を呼んでいる。しかしながらその度ごとに、人体標本を展示するにあたって、以下に述べるような本来考慮されなければならないことがなされていないと問題視されており、協会理事会として開催中止を求める声明を10月26日に発表した。

 「人体の不思議展」の展示物は、「常温で半永久的に保存できる画期的な人体標本」と謳われる「プラストミック標本」と名付けられたものだが、どのような技術でつくられているのであれ、それが遺体であることに変わりはない。まず、問題なのは、遺体を商業目的で不特定多数に公開するということだ。また、「プラストミック標本は、生前からの意思に基づく献体によって提供された」とされるが、それ以上の説明はなく、このような形で公開されることへの了解が、どのように確認されたのかは不明確なままである。さらに問題なのは、死体解剖保存法等によって、日本人の献体であれば、このように商業用展示の標本にはできないという点だ。このように、「人体の不思議展」では、遺体が尊厳ある扱いを受けておらず、人権・人道上重大な問題が存在している。

 協会は理事会声明発表に先立って、京都府・市、府・市教育委員会、マスコミ各社へ、後援等を行わないよう要請文を送り、会場を運営する株式会社京都産業振興センターには、会場使用許可を取り消すよう要請文を送付した。

 今後は、他の医療関係団体、宗教界、法曹界等に呼びかけて、共同声明の発表などに取り組みたい。

 協会の声明発表については、京都新聞が10月27日に報道した。

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